一番困るのは…②

2026年02月20日

あと30分もしたら現場に出るのですが、ちょっと時間があるので。

そのお客様は地主さんのご夫婦で、何度も工事をさせて頂いておりました。ご主人が車椅子になり室内を大幅にバリアフリー改修しました。その後少ししてからご主人が亡くなったと風の噂で知りました。それ以来、工事の依頼もなく数年が経ちました。

ある日、いきなり私の携帯が鳴りました。出てみると懐かしい声ですぐに奥様だとわかりました。

「ご無沙汰しています。お元気でしたか?」という私の挨拶が終わるか終わらないか、くもった声がかぶさってきました。

あのねえ、ないのよ。家の権利証が。それだけじゃないの。箪笥の中のパンタロンスーツ、お気に入りのパンタロンスーツ、あなたうちのリフォームした時、ゴミと一緒に捨てたでしょ!

びっくりしました。でもすぐに理解しました。(ああ、認知症だ…)

何も捨てていないですよ。もう一回探してみて下さい。

そう言いましたが、何を言ってもダメだって分かっていました。20分近く、何度も「返してちょうだい」「あなたがうちの工事をしてから無くなったの」と延々と言われ続けました。また「主人に知られたら怒られるから主人には言わないで」と。ご主人が何年も前に亡くなっていたのは知っていました。どうしたものかと思っていたら、どういうわけか、いきなり電話がプツンと切れたんです。

その後、暫くしてお宅の前を通ると、表札はそのままでしたが、ポストの差込口にガムテープが貼られていました。

私の場合、工事をしなくなって数年経っていましたし、ご主人の話が出た時点でもう普通ではないとわかりましたが、高齢者の一人暮らしが増える中、認知症の症状に気づかず工事に入ってトラブルになってしまうことも増えてきているようです。

実際に、そういった場面を経験した話は次の機会に…。


合同会社セカンドライフあさひ
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